高野白山の九州易学開運学院

徒然の記

太極の実体(その1)~素粒子論より

易経の注釈書にとどまらず、優れた思想書でもある繋辞上伝(けいじじょうでん)では、太極について、次のように書いています。
「この故に易に太極あり。これ両儀を生ず。両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず」
易占学では、宇宙の根源を太極という概念で説明しています。
これは三百八十四種類の爻(こう)から大成卦(六十四)へ、大成卦から小成八卦(八つ)へ、小成八卦から四象(四つ)へ、そして両儀である陰陽(二つ)、太極(一つ)へと収斂していく、とさかさまに読みとることもできます。
では、太極とは何か、真実などと同じ単なる概念と思うものの、物質を究極まで分割した素粒子を調べれば実体がわかるかもしれない、あるとすれば形や働きはどうなっているのか、調査の手がかりを宇宙に求め、太極の本質を探究したプロセスをシリーズでご紹介しましょう。

1 素粒子の大きさ
素粒子は、物質の最小単位で、その大きさは、一万兆分の1cmです。
ちなみに細菌の大きさは、1万分の1cm、ウイルスは、50万分の1cmです。

2 素粒子の普遍性
物質のかけらであり、波動でもある素粒子は小さすぎて目に見えないだけで、全宇宙に、私たちが生きている空気中にも、またブラックホールの底にも熱を持ったまま溜まり、果ては秒速30万kmという光の速さで137億年かかるといわれる観測可能な宇宙の限界までびっしり充満しています。

3 物質と反物質
宇宙を理解するためには、物質と反物質への認識が欠かせません。
原子を占有するエネルギーである電子がマイナス電気を持っている状態を物質といい、電子がプラス電気に帯電している状態を反物質と呼びます。

4 反物質の消滅
物質にはマイナス電気の陰、反物質にはプラス電気の陽を配当することができます。
宇宙創生時につくられた物質と反物質は、直後に衝突し、巨大なエネルギーとなって消滅したものの、物質が数量、寿命ともわずかに反物質を上回っていたため、我々が生存できる物質世界ができました。

5 陰陽のアンバランス
宇宙空間では、反物質が残存している可能性がありますが、少なくても地球上では物質しか残っていません。
反物質が消滅した現象をややこしくCP対称性の破れ、などといいます。
近代物理学の時代も含めて長い間、陰と陽は、同質、同量、同数であり、同じものの裏表と考えられてきましたが、素粒子論では、陰と陽の同質性、同量性、均衡性は、歳破どころか宇宙創成直後に崩れていたことがわかります。

※Cは物質と反物質の相互変換性 Pは物質と反物質の相互鏡面性をいう。
※歳破~方位学では、その年の十二支の反対側を物事の破れを意味する歳破という。

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