高野白山の九州易占塾

徒然の記

高島呑象(たかしまどんしょう)の天才性 その3

1 将来の見通し
⑴ 状況
呑象先生は、商品の購入で金貨である小判を外国商人に支払い、商品の売却では海外に比較して日本国内では3倍の価値がある銀貨を受け取っていた。
小判で支払いを受けた外国商人は、これを鋳つぶして金塊として国際市場で売却し利益を上げていた。
海外では金高、銀安だったのである。当然国内から金がなくなるので、幕府は、小判の売却を闇取引として禁止していた。
金の闇取引が発覚したため、北町奉行所へ自首する前に、今後について占うと、地雷復の上爻であった。

上爻辞には「十年に至るまで征する克わず」と書いているが、呑象先生は、「確かにこの失敗を取り戻すには10年かかるであろう」とうなずいた。
ただし、変爻すると、山雷頥の上爻である。

変爻辞は、
六爻 由りて頤わる。萬うけれども吉なり。大川を徒るに利ろし。
(よりてやしなわる。あやうけれどもきちなり。たいせんをわたるによろし)

現代語訳は、
すべてのものを養い、頼りにされる。任重くして艱難(かんなん)が多いが、吉。大いなる喜びがある。大河を渡るような危険を犯しても、順調に行く。

⑵ 結果~地雷復の上爻
地雷復の卦辞は、
復は、亨る。出入疾无し。朋来たりて咎无し。其の道を反復し、七日にして来復す。往く攸有るに利ろし。
(ふくはとおる。しゅつにゅうやまいなし。ともきたりてとがなし。そのみちをはんぷくし、ななじつにしてらいふくす。ゆくところあるによろし)

現代語訳は、
復は、通る。出るにも入るにも障りはない。友人が集まってきて問題ない。その道を繰り返して行えば、七日で事態が改まる。進んでもよい。

上爻辞は、
復に迷う。凶なり。災眚あり。もって師を行れば、終に大敗あり。その国君に及ぶ。凶なり。十年に至るまで征する克わず。
(かえるにまよう。きょうなり。さいせいあり。もってしをやれば、ついにたいはい     あり。そのこくくんにおよぶ。きょうなり。じゅうねんにいたるまでせいするあたわず)

現代語訳は、
正道にもどることを忘れて、迷う。凶。それは特に君たる者の道に反する。人災、天災こもごも至るであろう。軍を出せば、大敗を喫し、災いは君主自身にまで及ぶ。十年を経ても雪辱はかなうまい。

⑶ 国内外の金銀交換比率
幕末の日本国内と海外の金銀交換比率をみると、日本国内では金と銀の交換比率は1:5、海外では1:15、金1グラムの価値は、日本国内では銀5グラム、海外では銀15グラムと等しく、即ち日本国内では海外に比較して銀が高かったのである。銀の国内価格は海外の3倍であった。前述のように、日本商人は外国から商品を購入する時は、金で支払い、商品の売却では銀を受け取っていたのである。
このため、日本国内から金が流出し、インフレの要因となった。
日本の戦国時代16世紀中頃の銀価格は、銀1両(約40グラム)が国内では銅銭250グラム、同じ重さで明では銅銭750グラムであった、という。戦国時代からの金山開発によって、日本国内では銀高、金安が続いていたのである。
(「週刊文春平成30年11月15日号 出口治明の0から学ぶ日本史講義」参考)

TOPページ

ページの先頭へ