⑴ 相生(そうしょう)~「他を生ずる」という意味である。
ア 木生火
古代、火を造るには木片をすり合わせその摩擦熱を利用して発火していたのである。
今でも伊勢神宮ではその風習が残っている、という。
檜(ひのき)は実は「火の木」から出た名称であるが、木は火を生み出すのである。
イ 火生土
火が燃え尽きると灰が残る。春の直前に日本各地で行われる「山焼き」により、灰である新鮮な土が生まれ、古い土は肥えるのである。火は土を生む。
ウ 土生金
金属の原料となる鉱石は地中から掘り出される。土は金を生むのである。
エ 金生水
特に寒くなると、金属の表面に水蒸気が凝結(ぎょうけつ)し、露のような水滴ができる。
金は水を生むのである。
オ 水生木
植物の成長には水分が欠かせない。水は木を生むのである。
⑵ 相剋(そうこく)~「相手にうちかつ」という意味である。
ア 木剋土
剋は「うちかつ」という意味である。植物は土壌の養分を吸い上げて成長していく。
畑で作物を育てる場合は、土地を1年間休ませると、滋養の多い野菜ができる。植物は、土地を痩せさせるからである。これが木剋土の意味である。
イ 土剋水
水をせき止めるのは土で造った堤防、土手である。今でも河がたびたび氾濫するが、水を治めるのは土である。これが土剋水の意味である。
ウ 水剋火
激しく燃え盛っている火を消すのは水である。これが水剋火の意味である。
エ 火剋金
金属を溶かすのは火である。これが火剋金の意味である。
オ 金剋木
金属でできた刃物を使えば樹木を容易に切り倒すことができる。これが金剋木の意味である。


