出雲大社の巨大さは現地へ行って、実際に社を見なければわかりません。
いくつかの謎をご紹介しましょう。
1 国譲りの謎
昔も今も、戦争もせずに平和裡に他国に領土を譲るなどあり得ないのは常識以前の話です。
言うまでもなく、領土は民族の存立基盤だからです。
国譲りといえば、戦国の世にわずかに斉藤道三による遺言状があるだけです。
北方領土返還運動のように50年過ぎても領土への執着は衰えることがなく、評価はともかく、イスラエルに至っては1000年単位の時間をかけても取り戻すのが領土というもののあり方なのです。
2 四拍手の謎
四拍手をすると、妙な気持ちになって落ち着かないのはなぜでしょうか。
これは、大国主を死の国からよみがえらせないための呪術であるという井沢説が説得力を持っています。
とすると、参拝者は、知らず知らずのうちに勝利者である大和の意向に手を貸していることになります。
四という数字は縁起がいいのだ、という意見が正しいとしても、出雲大社ではなぜ4回手をたたくのか、という疑問への解答にはなりません。
3 高さの謎
約1,000年前の学習書「口遊」(くちずさみ)では、「雲太、和二、京三」という暗記用の言葉覚えがあります。
ということは、雲太(出雲大社)は、和二(東大寺大仏殿~高さ45m)より大きくて高かったということを表しています。
16丈、つまり48mの高さがあったという傍証が平成12年に発掘されました。
直径1.3mの柱を3本束ねた宇豆柱が、掘立状態のまま敷地内から出てきたのです。
ご祭神の変遷があったにしろ、敗者である大国主を祀る神殿が、なぜ日本一の高層建築物なのか、という理由は、大和の怨霊信仰によるものである、という井沢説で説明が可能です。
4 ご神座の謎
本殿の正面は、南向きですが、大国主のご神座は、西に向いています。
南に対面しているのは、大和から派遣された客神5柱です。
したがって、参拝者は、客神5柱に礼拝していることになり、大国主は、そっぽを向いている形式になっています。
客神の神格が何であれ、新幹線とバスを乗り継ぎ、はるばる出雲まで行って、なぜ大和の神々に礼拝しなければならないのでしょう。