後天定位盤の上が南、下が北を指しているのはなぜか。
その理由は二説ある。
1 天体南中説
この謎を解くカギは、太陽も月もずっと遠くにある星も含めて、天体の南中という現象である。
地球は西から東に向かって自転しているので、天体は東の地平線から出てきて西の地平線に消えていくが、この時我々の頭上を通るのではなく、必ず南方を通過するのである。
これを南中という。
たとえば、太陽が最高高度になると、方位は真南を示す。
後天定位盤は、その南中した瞬間を古代中国人が見たままを画(え)に書いたのである。
すると、画の上が南、下が北になる。地図上の南北と真逆になるのである。
2 天子南面説
易経の解釈書である説卦伝第五章第二節では「聖人、南面して天下を聴き、明に嚮(むか)いて治む。蓋し諸(これ)を此(ここ)に取るなり」(聖人が南面して明に向かい天下の政務を処理するのは、万物は南方において明らかに躍動するからである)とあり、これが後日「天子南面す」という思想となる。
北を背にして座っている天子の目線で前方を見れば、眼の前が南になるので、その状況をそのまま画(え)に写しとったのである。


