立江寺(たつえじ)は、四国八十八ヶ所のうち、19番目に当たり、徳島から高知へ入る時の関所寺といわれ、悪いことをすればこの寺から次の鶴林寺へ行けないことがある、といわれています。
実例をご紹介しましょう。
享保年間、現在の地名で言えば、島根県は浜田市に居住する桜井屋銀兵衛の次女お京という人が不倫の上、夫を殺害し、不倫相手の長蔵と手を取り合って遍路としてこの寺に参拝しました。
本堂で礼拝した時、いきなりお京の黒髪が逆立って鉦の緒に巻きつき、お京は宙釣りに近い状態になりました。
ご住職が祈祷したものの、結局黒髪は鉦の緒に巻きついたまま、髪を切る間もなく頭から皮と肉ごと剥がれました。
お京が罪の深さに恐れおののき、この地に止まりながら夫を弔い続け、一生を終えたのは正解というほかありません。
現世の行いを償うのは来世というわけにはいかないからです。
この話は、伝説ではなく、肉付きの長い黒髪が黒髪堂に保存されています。
現物はあまりに不気味すぎて生々しく、写真撮影にはなじまないようです。
写真は、黒髪堂横に建てられている記念碑です。
立江寺の公式ホームページです。
http://www.tatsueji.com/