福智山山系を水源とする紫川は、北九州市小倉北区を貫流し北九州港に流れ込む、延長22.4km、流域面積約100㎡の二級河川です。
諸説あって由来不明のその名称に似合わず、50年前は、紫にはほど遠く、真黒に汚れ澱んだ水路でしたが、今ではアユもシロウオも遡上して、見違えるように清潔な水流となっています。
洞海湾もきれいになりましたが、特に市街地を流れる紫川の浄化は、公害撲滅に必死に取り組んだ北九州市民による環境再生の勝利を象徴するといっていいでしょう。
徒然の記
ブラ高野~紫川
シュレーディンガー方程式の効用
加速度は作用力に比例し質量に反比例する、という運動方程式で物体は特定できるものの、そこに見える物体は不確実な存在であり、古典力学では対象の真実性に迫ることはできない、という認識から、1926年、オーストリアの物理学者エルビィン・シュレーディンガーが創出したシュレーディンガー方程式は、物質の正確な状態すなわち量子と呼ばれるエネルギーの分布、変化・変動を表現し、その未来への動作を確率で予測することができます。
量子力学の基礎であり、微分方程式の一つでもあるシュレーディンガー方程式には、大きく分けて時間発展に伴う態様を表す場合と時間に無関心な定常状態を示す場合の二種類があります。
その解答である波動関数をグラフにすると、空間に広がるエネルギーは、浮世絵師葛飾北斎が描く波のようなうねりであることがわかります。
シュレーディンガー方程式、というより量子力学は、眼に見える物体の様相や位置ではなく、エネルギーの濃淡や流れが世界の真実を表すのだ、と考えています。
原子爆弾やテレビのブラウン管は、この方程式に基づいて造っているといいますが、全宇宙を対象にしたエネルギーの分布・拡散状況調査は、宇宙を解読する有効な手段、いやそもそも量子の動きを再現予測するシュレーディンガー方程式なしに宇宙を記述することは不可能というべきでしょう。
※量子~原子、電子、中性子、陽子等エネルギーの種類を指す。
ブラ高野~阿波おどり
ブラ高野~河伯洞
北九州市若松区白山に火野葦平旧居である河伯洞という記念館があります。
河伯は、河童のことなので、河伯洞といえば河童が住む家という意味になります
火野葦平氏は、明治39年生まれ、出征中に書いた「糞尿譚」で芥川賞を受賞したことがきっかけとなり、猛烈な創作活動を始めたようです。
糞尿譚という小説は、タイトルはともかく、面白く楽しい内容です。
火野葦平氏が人間好きだったせいか、河伯洞では、今でも毎月茶話会や映画会、読書会があり、北九州市の文化活動の拠点となっています。
館内にはもう見ることのできない石炭の原石をはじめとして、港町若松を思い出させる人形などの展示物も飾られています。