室見川は、160万都市福岡市の西区を貫流し博多湾に注ぐ清流である。
かつて護岸工事をする前は、台風の後になると砂洲に水たまりができ、取り残されたうなぎや鯉、鮒が面白いように獲れた時もあった。
川の上流には福岡市の水源である曲渕ダム〈大正12年竣工〉があり、そのさらに上流は八丁川と呼ばれ、野河内(のごうち)渓谷の美しい渓流が続く。
今でも川が澄んできれいなのは地元、行政、議会の熱意によるものである。
農耕地の広がる中流部は「ホタルの里」として知られており、1989年に「室見川中上流一帯のほたる」が、環境庁の「ふるさといきものの里100選」に選定された。
下流部の市街地では延5kmの室見川河畔公園が作られ、市民の憩いの場となっている。この公園は、1983年度に「福岡アメニティ百選」の一つに選定された。
河口の干潟では今でも毎年2月になると名物の白魚(しらうお)が博多湾からのぼってくる。