高野白山の九州易学開運学院

徒然の記

タロットカードⅥ~恋人(The Lovers)

西暦392年、キリスト教のローマ帝国国教化により、太陽神信仰はじめローマの神々も含めた信仰が禁止されて以来、異教、異端狩りをしつこく続けた結果、ヨーロッパ大陸にはキリスト教という一神教が根付くことになりました。
現代ヨーロッパ人が何を考えているか、本音は何か、ヨーロッパ文明にアプローチするには、タロットカードに描かれるキリスト教のエピソードに手がかりを求める方法があります。

タロットカード№6には「THE LOVERS」というタイトルでアダムとイブが描かれていますが、旧約聖書の創世記によれば、「その日ヤハウェ神は地の土くれから人を造り、彼の鼻に生命の息を吹きこまれた。そこで人は生きた者となった」(岩波文庫版)
一神教世界と多神教世界を区分する基準は、宇宙をつくりあげたというクリエイター(創造神)の概念を肯定するかどうかですが、多神教徒にとっては、宇宙は単なる礼拝対象であって、ただそこにあるだけ、八百万の神というようにクリエイターには無関心です。

旧約聖書の創世記が叙述しているように、ヤハウェ神が天地をつくりあげ、土くれからできた人間に生命を吹き込んだという考え方をすれば、キリスト教を特徴づける、激烈なカルト性を表すよみがえりの思想が出てくるのは不思議ではありません。
日本列島からみれば、ヨーロッパ大陸に住む人々の多くがイエスの復活、生き返りを信じるクリスチャンであることに驚きを禁じ得ません。

クリエイター(創造神)の存在を認識すると、なぜヨーロッパ諸国は死刑制度を廃止するのか、グリーンピースがどうしてルールを破ってまで野生種の保護活動をするのか、根底にはヤハウェ神が創りだした生命(いのち)を人間が勝手に奪ってはいけないというキリスト教思想があることに気づきます。

卓越した文明批評家でもあるビートたけしは、次のように指摘しています。
「キリスト教なんて、今でこそ世界に広まっているけど、ローマ帝国時代は新興宗教にすぎなかった。『処女懐胎』に『奇跡』に『復活』ときたら、それこそカルトそのもの。世間の扱いは、今のオウムとたいして違わなかったはずだよ」
(「そのバカがとまらない」~ビートたけし著)

現代文明をリードしているヨーロッパは、イエス生誕から2000年にわたって連綿と続くカルト性の強いキリスト教大陸でもあるのです。
ヨーロッパにはキリスト教対反キリスト教の二つの思想潮流が存在するという見方が正しければ、人間同士の友愛や人道を強調するフリーメイソンには、神の愛を否定する反キリスト教の匂いがしてなりません。
フリーメイソンについては武器商人のグラバーや坂本龍馬との関係を含めて別途論じつつ、その深部を追跡していくことになるでしょう。
ちなみに全世界のクリスチャンは、20億人ともいわれています。

このカードは、恋愛や結婚、出会いを意味し、人生を全うする決意表明でもあります。
正位置では、充実した恋愛、ラブチャンス到来、逆位置では、別離、チャンス喪失、誤った選択を意味します。

 

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