高野白山の九州易学開運学院

徒然の記

ブラ高野~今津人形浄瑠璃

今津人形浄瑠璃は、明治24年に隣村の大原操り人形(おおばるあやつりにんぎょう)という人形座から諸道具一式を譲り受け、福岡市西区今津を拠点に創設されて以来、130年になります。
一座の名称を恵比須座といいますが、小学生だけでも立派に浄瑠璃を演じることができます。
人形の所作(しょさ)と太夫(たゆう)の語り、そして三味線の演奏という三位一体で成り立つ人形浄瑠璃が表現する激しい真実性には脱帽するほかありません。
歌麿が描く醜い役者絵のように、神楽という神前舞踏劇の伝統を忘れた歌舞伎は、薄っぺらなネタを嘘っぽく演じるだけですが、人間存在の哀しさ、愛しさ、浅ましさをとことんえぐり出し、演じきってみせる人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」(けいせいあわのなると)に比べれば、アニメ映画の傑作である「千と千尋の神隠し」さえ色あせて見え、幼稚園教材のように思えてくるのが不思議です。

 

 

タロットカードⅨ~隠者(The Hermit)

タロットカード№9は、隠者(The Hermit)を表しています。
これは大アルカナ22枚のうち、最も暗示性と思索性に富んだカードです。
暗闇に燈明を灯している求道の人は、深々としたマントに身を包み俗世間の喧騒からのがれ、左手に持つ杖は、思索の旅を象徴しているようです。
あかりをかかげ続けた、真摯な印象を持つ姿が一抹の哀愁を感じさせます。
カードの構図が人間の宿命・過去・感情を意味する左側を強調していることから、このカードは、宿命の探求、過去との対話、反省や孤独感など精神分野を表現している、とみることができます。
流浪の求道者は、旅を終えた先人として、苦難の旅を続ける行者にあかりをもって導いているようにもみえますが、過去を検証し未来へ向けて真理を求め続ける思索者なのでしょう。
正位置では、自分自身を振り返り、問題と真正面から向き合う大人の愛、不断の努力、逆位置では、カオスが続く一時の愛、自己喪失を意味します。

 

 

ブラ高野~宵の明星

毎年今頃になると、西の空に宵の明星という優雅な別称を持つ金星が燦然と輝いているのが見えます。
三日月とコラボしながら、ほかの星が見えない夕方でも尋常ではない明るさでチカチカ光っています。
地球から金星までの距離は8光分なので、光の速さで移動しても金星に着くまで8分間かかります。
といっても、直径930億光年ともいわれる私たちが住む宇宙のほか、多元宇宙の存在を予言する素粒子宇宙論の世界も含めた宇宙の規模からいえば、わずか8分間の距離は、お隣さん同士といっても過言ではないでしょう。
手相の金星丘では、厚みや薄さをみて情愛の濃淡をはじめとして、その有様を読み取ることができます。

タロットカードⅫ~吊るされた男(THE HANGED MAN) 

タロットカード№12の吊るされた男は、犠牲や献身、慈愛の精神を表します。
道化師のような若者が、一方の足を縛られ逆さに吊るされていますが、片方の足は折れ曲がったまま十字を組み、しかしながら引き締まった表情に苦痛はみえません。
カードからは、キリスト教殉教思想の影響がみられることから不滅の魂を思いださせますが、この行者は、身動きできない苦難をすすんで受け入れる通過儀礼の真っ最中と思っていいでしょう。
一見危機的状況に見えますが、凛とした表情には彼自身が望んでこの困難を招き入れたことを暗示しています。
正位置では、献身的な愛や試練、逆位置では、悪あがきや骨折り損を意味します。

※通過儀礼~入学式や出社式のような単なる儀式ではなく、出生や成人という節目の儀礼を体験し通過することにより、人生行路における次のステージへ飛躍するための儀式である。
~七五三のお宮参り、元服、還暦のお祝い、洗礼(キリスト教)、抜歯(南洋群島)

 

ブラ高野~玄洋社記念碑

旧黒田藩士が明治14年に結成しアジア主義を標榜した政治結社である玄洋社は、結社員として杉山茂丸、頭山満、内田良五郎、進藤喜平太らが参加しました。
ヨーロッパで大諜報活動をして日露戦争の勝利に貢献した明石元二郎大佐も社員の一人でした。
玄洋社は、福陵新報という新聞を発行したり、辛亥革命を助け軍閥と戦闘するなどアジアの独立運動を支援しながら、日清戦争、日露戦争、第一次、第二次世界大戦で情報収集や裏工作に関係し、軍部・官僚・財閥、政界に大きな影響力を持っていたそうです。
那の津と呼ばれた昔から博多は、海を渡ってアジア諸国と深い交流を続けたせいか、中国戦国時代の壮士を気取った連中も出入りしましたが、主義主張はともかくこの地には玄洋社が生まれる素地があったのでしょう。
2008年玄洋社記念館が閉館したあと、記念碑がNTTドコモ舞鶴ビルの一角に設置されています。

 

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