浅草寺(せんそうじ 東京都台東区)のおみくじは「振りくじ」という方式で、最初に100円を集金箱に入れます。
次に100本の棒が入っている六角形のおみくじ箱を振って、箱から飛び出した棒に書いている1~100までの数字を確認します。
そして、同じ数字の引き出しを探して、その引き出しからおみくじを取り出して運勢をみる、という段取りになります。
吉が少ないこともあり、おみくじを引くまでの手続きに迫力があます。
各時代、各地域によって最も大切にしなければならない徳目や価値が異なるのは当然ですが、次のように整理していくと改めてその違いの大きさに驚くほかありません。
知らず知らずのうちに儒教の影響を受けている日本人は、何より人を思いやる仁の気持ちを優先しますが、古代ギリシャ人は智恵、聖徳太子は和、クリスチャンは神からの愛に価値をおいています。
・儒教の徳目~仁(思いやりの心)、義(正義)、礼(礼節)、智(智恵)、信(信頼)
・ギリシャ思想(プラトン)の徳目~智恵、勇気、節制、正義
・聖徳太子の徳目~和(コンセンサス、調和)、三宝(仏・法・僧)、詔(みことのり~天皇の命令)
・キリスト教の徳目~神の愛、希望、信仰
古典における時刻の表現について、平家物語から那須与一(なすのよいち)の章を抜粋してご紹介しましょう。
平家物語では24時間を表現するのに十二支を使っています。
夕方の17時から19時の2時間をひらがなでとりのこく(酉の刻)と書いています。
現代語訳ではその間をとって18時と設定しています。
平家物語巻第十 那須与一の章(鎌倉時代、作者不詳)
「ころはにんぐわつじふはちにちとりのこくばかりのことなるに、をりふしきたかぜはげしうふきければ、いそうつなみもたかかりけり。ふねはゆりあげゆりすえただよへば、あふぎもくしに、さだまらず、ひらめいたり」
現代語訳
「ちょうど時期は2月18日18時ごろなので、北風が吹いて磯によせる波も高かった。舟は揺り上げ、揺り末して漂えば、扇も竿(さお)の先で揺れて定まることがなく、ひらひら動いていた」