十干(じっかん)は五行(ごぎょう)から派生した概念であり、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)の総称ですが、殷王朝(BC17世紀)の時代に使われたといいます。
十二支と同じように草木(そうもく)、即ち生命の発生、繁殖、成熟、死滅の過程を十段階に区分し説明したものです。
十干の干は、樹木の幹のことですが、それぞれ次のような意味あいがあります。
甲(きのえ)~よろいかぶと、という意味で、種子が厚い皮を被っている状態をいう。
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乙(きのと)~きしむ、という意味で、幼い芽が伸びずに曲がっている状態である。
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丙(ひのえ)~あきらか、という意味で、草木が充分に成長し、その姿がはっきりとした様子を表す。
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丁(ひのと)~壮年の男子、という意味で、草木が成長し充実してきた様子を示す。
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戊(つちのえ)~しげる、という意味で、草木が繁茂して大地を覆うほど盛大となった様である。
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己(つちのと)~やむ、という意味で、草木の繁茂が極限となった様子である。
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庚(かのえ)~あらたまる、という意味で、草木が実を結んで春の訪れを待っている状態である。
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辛(かのと)~あたらしい、という意味で、草木が枯れ果て新しい芽吹きを準備している状態である。
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壬(みずのえ)~はらむ、という意味で、種子の中に新しい生命がはらまれた状態を表す。
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癸(みずのと)~はかる、という意味で、種子にはらまれた生命が長さを測れるほど伸びた状態である。